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スポック艦長のPhoto Diary

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2009年 11月 16日

小さな命と大きな代償

まだ気持ちの整理が出来ませんが
先週末起きた交通事故を是非皆様と共に考えて欲しいと
此処にアップいたします

我が家の直ぐ傍の交差点で事故が起きました
被害者は8歳の少年でした
加害者は68歳の男性と同乗の奥様

自宅に帰りついたとき女性の大きな叫び声が聞こえました
何事だろうと交差点に行って見ると
車の下から子どもを引き出そうと奥様が少年の足を引っ張っていました
運転の男性と通行人が車を持ち上げようとしていました

車高が低いために少年は引っ掛かって出てきません
私は驚いて直ぐに車のドアを開けてドアを持ち上げました
ボディーの下を持ち上げようとしていた二人に
「こちらを抱えろっ・・テコで此方の方が力が入る」
と叫んで力をあわせて車を傾けると
やっと少年は車の下から引っ張り出せました

でも呼べど叫べどグッタリしたまま何の反応も示しません
「救急車を呼べ・・警察も頼む」と私は周りの人に叫びました
奥さまは半狂乱のように「しっかりして・・死なないで・・」
と叫び続けました

警察と救急車が来て少年は救急車で
運転の夫婦はパトカーで現場を去りました
警察の張り番記者か神戸新聞の記者がもう来ていて
色々と聞かれた
「子どもの様態は・・」とこちらから記者に尋ねると
「本社からは心肺停止だとの連絡が・・・」

「そんなアホナ・・・ナンデヤネン」
と胸が一杯になって涙がボロボロこぼれました
私の手には少年の頭から流れた血がべっとりと
そして少年の身体の温もりがまだ手に残っているというのに・・
一生懸命救助に手を貸したのに何の役にも立てない
自分の無力さを悔やんだ

小さな命と大きな代償_e0022047_22432132.jpg


これが付近の地図です
事故はeの交差点でおきました

信号飛ばしは絶対するな
A地点からC地点へ行くのにB地点の信号を左折します
ところがBの信号が赤になると沢山の車は
一方通行の手前の細い抜け道をショートカットして
eの交差点を右折してfの交差点へ急ぎます
後で警察の話ではこれを信号飛ばしと言うそうです

A→B→Cはメインの道路ですから対向2車線に
歩道も整備されて人車分離されています
しかしd→e→fの道は自転車、人、車と一緒の生活道路です
我々住人からするとよそ者がドンドンこの生活道路に入り込み
何回も今まで事故が絶えません

たった1回の赤信号の待ち時間を待てずに
コスイ行為で信号飛ばしをすると大変危険です

エコカーの落とし穴
加害者の車は新車のインサイトでした
プリウスも同じだが低速走行中に音がしない
運転者には快適な静寂さは歩行者には危険極まりない
事故防止の為に音を発生させるという法律が出来るそうだが
必要な事と思います

歩行中のゲームは危険
衝突時の状況は聞いた話しだが
少年はゲームに夢中になって下を向いて歩いていたらしい
自転車でもメールを見ながら走る若者も多い
運転者も運転中は絶対前から目線を切らないことだ
加害者からは少年は見えなかったと言っていたが
少年も前を向いて歩いていたら
飛びのいて怪我程度で済んだかもしれない

何の縁(えにし)もないこの車と少年は
何故この交差点で遭遇したのだろう
それはもう人知の及ばない運命なのだろうか
運命、宿命は神の差配に委ねられているのだろうか
この運命を避けるために無力の人間たちは
まじないや宗教などにすがるのか
神は余りにもむごい運命を下したものだ

翌日この少年の祖父が現場に来て手を合わせていた
聞けば少年の両親は離婚しているとの事
親の愛情も半分しか受けられず
将来の夢や楽しい人生もたったの8年で終わりを遂げる
この倖薄い少年の短い命を考えるならば
ここまで馬齢を重ねた俺はなんと幸せな人生と言わなければならない

学友たちが現場に花を手向け
好物の果物やジュースを道端に供えている
それを見るたびに又あの忌まわしい瞬間が蘇り
涙が込み上げてくる

これだけ書いたけどまだ気持ちは治まらない
ずっと頭から離れず夜も眠れない
俺の手の中で小さい命が亡くなったのだ


by captain_spoc | 2009-11-16 23:29 | 日常


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